『クラウド、一人、なんだね』

今は誰も居ない教会で、エアリスは花に触れながら呟く。
俺はと言うと、入り口側の、向かって右側の長椅子に座ってそれを見ていた。
ここから見えるのは数個の長椅子、エアリスと花。その奥にはマテリアが入った鞄。
そして、さすがに見えないけど、黒ずんだ包帯。

『そうだな。ったく、何やってんだか、こいつは』
『本当の意味で、一人になるのが怖いんだよ』
『ホント、まだまだ子供だな』

苦笑して、天井を見上げる。
屋根がないそこは、上のプレートが清々しいくらい見えた。
あーあ、俺ここから落ちてきたんだよな。
ん?俺が落ちたから穴が空いてるのか。

『俺が居たら殴ってやるのにな』
『乱暴、駄目』
『男の慰め方はこんなもんだって』

と言うより、俺たちが居たらこんなところにクラウド一人にしないんだけど。
何年か経ったこいつはすっかり可愛げがなくなった。
ホントは無茶苦茶弱いくせに、強い振りして抱え込む。
それが最後には堪えきれなくなって、周りにも迷惑掛けることをしらないガキ。

『周りが・・・発散してやらなきゃならないのにな』
『みんな、忙しいんだよ。それに、クラウドも、もう子供じゃない』
『いーや、まだまだガキ!小生意気なガキ!』

空に向かって言えば、エアリスはクスクス笑った。
立ち上がると、花に視線を落としながら俺に近づいてくる。

『じゃあ、大人になるまで見守ろう?』
『・・・そうだな』

笑うエアリスに、俺も笑う。
いつか、こいつがホントの意味で笑えるその日まで。
多分、その時こいつはこの教会を出るんだろう。


その時まで、俺たちはこうして見守ろう。







そしてACに向かいます。