主婦ってこんなに大変だったんだ、と俺は今日生まれて初めて実感した。
朝早く起きて朝食を作ることがこんなに労力を使うなんて。
罰ゲームのせいで悟史(と沙都子)に朝食を作ることになった俺は、昨日から北条家にお泊まりしていた。

「うん、おいしいよ圭一」
「圭一さんにしてはまぁまぁのできでしてよ!」
「なら食うな」
「もうおほいへすわー!」
「沙都子、ちゃんと食べ終わってから話さないと」

前原家より数段にぎやかな朝食。
奪い合うように朝食を食っている俺と沙都子。
それを見て笑っている悟史。
(でもちゃっかり自分のはちゃんとキープしてる辺りが悟史らしい)

「うまいなら素直にうまいって言えよ!」
「梨花の方が圭一さんより万倍!うまいでしてよ!」
「な・・・!」

そりゃあそうだろうよ!
けど俺はレベル1からのスタートなんだから格が違いすぎるだろ!
特訓はたった二日。
ここまでできたのだって奇跡だったのに!
そんな考えが伝わったのか自分で気付いたのか(おそらく両方)沙都子がハッとした表情になる。

「沙都子」

そんな沙都子に悟史が声をかけた。
しゅんとした沙都子に悟史が何か耳打ちする。
俺の耳が正しければ『こんな時には?』だったと思う。

「ごめんなさい、圭一さん」
「いや、いいよ。それより卵焼き食わないのか?」

しゅんとした表情なんて沙都子には合わない。
食わないのなら俺が食う、と箸をのばしたらすっかり元に戻った沙都子に箸で払いのけられた。

「これは私のでしてよ!?」
「なにおぅ?!」

はしゃぐ俺たち、それを見て笑う悟史。
卵焼きを喉に詰まらせる沙都子の背を慌ててさする悟史。
それに沙都子は礼を言って、微笑みながら悟史は妹の頭を撫でて・・・。
俺なんかには到底入り込めない空間に、自然と俯いてしまった。








性懲り無く続きます。