俺の名誉のために言うけど、絶対に俺のせいじゃない。
そりゃ俺の服は薄いけど、コートはちゃんと着てた。
手袋もしてた。
なのに何を血迷ったかブタザルが川に落ちそうになるもんだから・・・。
気付いたら手を伸ばしてて、掴んだはいいけど雪だから勿論滑って。
ふんばって止まるなんてこと無理。
ブタザルをティアに投げつけられたのが奇跡で、そのまま川にドボン。

「そして風邪を引きました、と」
「・・・うー」
「馬鹿としか言いようがありませんねぇ」

呆れ果てた目で俺を見下してくるジェイドを俺は見上げるしかない。
盛大にため息をついたジェイドは、俺の馬鹿さをののしりながら、
額に置いたタオルを取り替えてくれた。
鬼なのか優しいのか、未だにハッキリしない。

俺は自分が思っている以上に高熱みたいで、頭はガンガン痛いし、
喉も焼けるみたいに熱い。寝てるのに世界が歪んで見える。
ぶっちゃけた話、今現在も意識が飛びそうだ。
そんな俺を、仲間たちは交代で看病してくれるらしい。
ジェイドは一番最初。
いつも俺にくっついてるあのうるさいブタザルは、俺の部屋の立ち入りを禁止されてるらしい。
正直あの声は頭に響いて(悪気はないとは言え)ウザイから、正直ありがたい。

「しばらくケテルブルグに滞在ですね」
「・・・ごめん」

ジェイドのため息混じりの声に、正直に謝る。

「そう思うのなら早く治しなさい」

いいですよ、とか、気にしないでください、とかは全くなし。
バッサリと言い捨てられるけど、ジェイドなりに俺を心配してくれてる(と思いたい)。


そんな時、ドアがノックされた。


静かにドアが開くと、肩にミュウを乗せたティアが居た。
何故かミュウは口に『×』が付いたマスクをしている。

「大佐、交代の時間です」
「おや、そうですか。ところで、ミュウも風邪ですか?」
「いえ・・・喋らないようにと、アニスが」

アニス・・・ナイス。
心の中で何回か礼を言う。

「・・・ぁ、ジェイド」

ふと、考えついて、掠れる声で今ドアを出ようとしているジェイドを呼び止める。
振り返ったジェイドの動きは、本当に無駄がなかった。

「なんですか病人」
「馬鹿は、風邪、ひかな・・・ぃ」

俺の言いたいことがわかったのか、ジェイドはニヤリと笑う。
本当に、ムカツク笑顔で。

「逆です。馬鹿だから健康管理ができないんですよ」

・・・心の底からぶっ飛ばしたいと思った。






何処で読んだのかわからないけど、健康管理が〜の台詞はずっと頭の中に残ってる謎の言葉です。