「・・・ガイ」
「ん?」

明日が最終決戦、今日が最後の夜。
体に負担をかけないように、優しく抱いてくれたガイの名を呼ぶ。
そうすると、人好きする笑顔でガイは抱きしめてくる手を少しだけ強くした。

「・・・ありがと」
「なんだよ、それ」
「なんとなく」

そう、ただなんとなく。
でも、ガイにはその一言で足りないくらいのものをもらった。
俺はいつも与えられるばかりで、ガイに何もしてやれない。

「ガイ」
「・・・ん?」
「大好き」

そう言うと、ガイは暫く固まっていた。
だって、俺から好きって言うことすら極端に少ないからだ。
俺にとっては厳しい数秒後。
やっとガイに意識が戻ってきたらしい。
よく見えないけど、あったかい笑顔を浮かべているのはなんとなくわかった。

「ガイ、大好きだ。愛してる。ずっとずっと、好き」
「どうしたんだ、ルーク?」
「・・・なんでもねー」

ぶっきらぼうに返す。
ごめん、ガイ。でもこれだけは言えない。
『多分もう次はないから』なんて言ったら、優しいガイはきっと悲しむ。
そんなの、絶対に嫌だから。

「俺も好きだよ、ルーク」
「・・・嫌いだ、ガイなんて」
「はいはい」

俺の嘘なんて、ガイには通用しなくて。
適当に流すとガイは腕の力をまた強くした。
あったかい人の体温を感じながら、次はもうないんだと思うととてつもなく悲しくて。
泣きたくなるのを、ガイの胸に顔をあてて誤魔化した。







ルークの最後はとても悲しいと思う。
何が悲しいって本人が死ぬことをわかってるのが。