暇だ。誰も居ない。
翔も居ないし、剣山も居ないし、万丈目も明日香も来るわけがないし。
俺が学園に戻ってきた時には、ヨハンもジムもオブライエンもみんな帰っていたし。

『十代君、暇なのにゃ〜?』
「・・・いい加減成仏しろよ、先生」

そんな暇な俺がすることと言えば、デッキの組み立てだったり、精霊と話すことだったり、
そして、もう死んでるはずの前寮長と話すことだったり。
後ろが透けて見える大徳寺先生は、なんでか知らないけどとても嬉しそうだった。

『でも、明日香君とのタッグデュエルは見事だったにゃ』
「あぁ、俺も楽しかった」

笑って答えると、先生はまた笑みを深めた。
なんだかガキ扱いされてるみたいで、あまり好きじゃない。
だけど俺を見て何を思ったのか、少し寂しそうな表情に変わった。

『でも十代君はみんなを避けているみたいだにゃ』
「向こうも避けてるんだから、おあいこだろ」
『避けてるんじゃなくて、かける言葉が見つからなかっただけ。
今はみんな普通だし、前の状態に戻ってきてるにゃ』

前の状態?どこが。
みんなそれぞれの道を歩んでる。
隼人みたいに、みんなそれぞれの道を切り開いてる。
そう言うと、やっぱり先生は寂しそうな顔をした。

『十代君、君もやっぱり・・・―――』
「先生。・・・俺は後悔なんてしてないぜ」

元はと言えば、俺のせいなんだから。
ユベルのことも、あの世界で起こった全てのことも。
だから、あんな結果になって・・・そしてその延長戦がこれなんだとしても、仕方がない。

「俺は俺だし、あいつらはあいつらだ。でも・・・」
『・・・でも?』
「・・・・・・俺は―――」

そこまで言って、やめる。
口に出したら、本当のことになりそうで。

―――ホントは、すごく怖いんだ。
またあいつらが悲しみそうで、苦しみそうで、怒りそうで・・・。
そして俺を疑ってそうで、憎しみそうで。
・・・怖いんだ。







完璧な二十代だって、きっと負の部分は弱いはず。